被害に遭う前に!台風対策でお住まいを守りましょう

 例年梅雨が明けお盆を過ぎた9月頃になると台風が接近しやすくなり、強風や豪雨によって多くの被害を起こします。近年は被害を受けやすい地域だけではなく、これまであまり被害を受けることが少なかった関東・東北エリアでも、甚大な被害をもたらしています。
 お住まいの屋根や外壁等が劣化していると、台風通過時に損傷が大きくなることが考えられます。また、被害が発生してから修理をしようと思っていても、同じく被害を受けるお住まいが多いことから、修理までの時間が長く掛かることが予想されます。
 被害を最小限に抑えることで修理のコストも時間も大幅に改善することが可能です。その為にはまず、日常のメンテナンスから取り組んでみませんか?こちらではメンテナンスに関する情報をご紹介いたします。

台風が来る前にチェックしておきたいポイント

 雨風による影響を最も受けやすい場所です。破損(ヒビ割れ・割れ・欠け)やズレが原因による飛散で、二次被害を起こす可能性もあります。
 お住まいの屋根の種類によって、メンテナンスの方法が変わってきます。

●瓦屋根

 瓦屋根には優れた耐久性や遮音性、断熱性等多くのメリットがあります。
 一方で災害に弱いイメージもあり、経年劣化による隙間によって瓦がズレたり剥がれやすくなったりします。

 事前に出来る対策 

 現在は、瓦同士をかみ合わせて固定する【防災瓦】が使われています。瓦自体も軽量化されているため、屋根全体の重量も大幅に減らす効果があります。

経年劣化が原因で落下・飛散等
防災瓦で対策

●スレート屋根

 薄い形状であることが特徴の屋根ですが、薄いことによって強風を受けた際に割れてしまうことがあります。
経年劣化によっては割れやすい状態なっていることが考えられます。

 事前に出来る対策 

 経年劣化によるヒビ割れ等を防ぐ為、塗装による定期的なメンテナンスを行いましょう。
 頂部を覆っている棟板金は、浮き等が原因で強風時に飛散する可能性が高い場所です。ネジの緩みなどが無いか、併せてメンテナンスしておきましょう。

強風による割れ・練板板の飛散
塗装・固定による対策

●金属屋根

 耐久性が良く軽量であることから、多くの建築物で使用されている屋根です。
 経年劣化による錆が原因で破損する場合があり、屋根材に錆が発生することで、固定している釘やビス、ボルトにも傷みや錆が侵食し劣化に繋がります。錆は徐々に拡大し穴を開けることもある為、剥がれや雨漏りの原因となります。

 事前に出来る対策 

 塗装を行うことで、錆の発生を防ぐことができます。
 数年ごとに、表面に傷が無いか・釘やビスは緩んでいないか等のメンテナンスを行いましょう。

錆が発生
塗装・固定による対策

 雨風の他に太陽光の影響も受けやすく、経年劣化による破損が起こりやすい場所です。
また、構造上落ち葉等が溜まりやすい場所でもある為、雨水が入らず、落ち葉が水を含み破損に繋がります。

 事前に出来る対策 

 経年劣化によって少しの衝撃でも割れやすくなる為、表面保護の塗装を行うことで防ぐことが出来ます。
 落ち葉等溝に入り込むものには、予防ネットの設置が効果的です。詰まりやすい場所の為、定期的な清掃がメンテナンスに繋がります。

雨風の吹込みで劣化・破損
塗装・定期的な清掃で対策

 年月とともに割れやすくなりますが、通常の雨では大きな被害は起きづらい場所です。
 台風の場合は強風により横殴りの雨が強く吹き込んで来る為、外壁のヒビ割れを起こしたり、腐食や雨漏りを起こすことが考えられます。

 事前に出来る対策 

 外壁のヒビ割れやパネル同士を合わせるシーリング材の劣化や破損、腐食が進行していると雨漏りを起こす原因となります。
 塗装とあわせて補修や打ち替えを行い対策しましょう。

雨水の吹込みで劣化・腐食
補修・塗装による対策

 屋根部分とは違い傾斜のない場所が多く、雨水が溜まりやすい構造になっています。
 劣化により排水機能が働かないことで防水層が傷み、内部で雨漏りを起こす原因となることが考えられます。

 事前に出来る対策 

 雨水をスムーズに排水するには、落ち葉や泥による詰まりを防ぐ必要があります。定期的に清掃を行いましょう。
 経年劣化により排水部分(ドレン)に穴が開くこともある為、劣化具合を見ながら防水工事や改修工事を行いましょう。

防水機能の劣化・雨漏り
定期的な清掃・防水塗装や改修工事

 石・庭やベランダ等に置かれた植木鉢・物干し竿等、強風によって飛ばされてきたものが窓にぶつかることで割れることが考えられます。

 事前に出来る対策 

 倒れたり飛んだりする可能性があるものは、事前に家の中へ入れておく必要があります。
 飛来物が窓に当たらないように、雨戸やシャッターがあれば閉めておきましょう。無い場合も、飛散防止フィルムや養生テープを使用し、飛散を最小限に抑えられるように対策しましょう。

飛来物による破損・飛散
飛来物による飛散に備えた対策

あわせて行っておきたい事前準備

  • 防災備蓄(3日分)

強風や豪雨により、停電等の被害が考えられます。
まずは3日分の水と非常食を常備しておきましょう!
 

  • 被災時の連絡先

火災保険代理店等、加入条件の確認や被災時の連絡先 情報がすぐ分かるようにしておきましょう!

  • 停電対策

懐中電灯の準備(電池切れに注意!)や、バッテリー蓄電式給湯器の設置等もあるとより安心です。
(太陽光蓄電池無しでも使用可能)

  • 避難経路

居住地で定められている避難経路先の確認等、防災MAPがすぐ分かるようにしておきましょう!

通過後の対応

 台風通過後も、強風が残る可能性があります。
 充分な安全確保の上で、家の回りの状況を目視で確認しましょう。
 飛来物による破損等が発見された場合は、まず落ち着いて写真を撮るにとどめ、ご自身で対処しようとせずに専門業者や火災保険代理店に確認依頼の連絡を入れましょう。

 通過後の確認場所(室内外) 

 □ 屋根板や瓦・ストレート(コロニアル)屋根がズレていたり、破損・飛散していませんか?
 □ 雨樋が外れていたり、破損していたりしませんか?
 □ 窓ガラスが割れて室内外に飛散していたり、窓枠のズレや破損はありませんか?
 □ 雨戸・戸袋が破損・飛散していませんか?
 □ 被害状況の分かる写真(家屋全体、屋根、外壁、雨樋、外構フェンス、物置等)
   ※保険、罹災証明等に必要

台風での被災には火災保険のご利用確認をお勧めします

 事前対策を行い万全の状態で臨んだつもりでも、自然の威力は私たちの想像を超えることがあります。
 思わぬ被害が出てしまい、修繕の対応に追われることがあります。そのようなお困りごとが起きた時に利用できるのが【火災保険】です!

 「火災保険」と聞くと「火災の時にしか利用できないのでは?」と思われる方も多いのではないでしょうか。
契約内容にもよりますが、自然災害によって被災した際に利用できます。
 保険を利用することで、自己負担がゼロの状態で修復することもあります。3年前まで遡って申請することも可能ですので、諦めず相談しましょう。(免責等、各条件は代理店・保険会社にご確認)
 台風修繕の足場を利用して屋根や外壁のメンテナンスを検討される方も多くいらっしゃいます。

被災直後にやって来る悪徳業者には要注意

 痛々しい我が家の姿を目の当たりにすると、「今すぐ何とかしなければ!」と焦りや不安な気持ちが生まれます。
 ボランティアで無料との話だったのでブルーシート掛けや修理作業をお願いしたところ、作業後に高額な料金請求をされる等、高齢者の一人暮らしを中心にこういった被害は後を絶ちません。
 「自分だけは大丈夫」と過信せず、まずは落ち着いてご家族・ご友人等、相談できる地元業者に連絡しましょう。
いざという時に頼れる業者が一つの防止策となります。

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